【武と音】#1 武器術稽古から見た適性と感覚の差



第1回 :武器術稽古から見た適性と感覚の差

 先日、鬼崎中学校柔道場で武器術の稽古が行われました。
(指導員を1名増員しましたが、参加者が少なかったため、館長1人で指導に当たりました。)

  武器術稽古前半では、釵の基本的な使い方に焦点を当て両手同時に釵を扱い、後半では棍の基本的な取り扱いに取り組みました。

武器術の前の身体能力向上稽古では、しっかりと身体を動かすトレーニングを行った後でしたので、体力的に大丈夫か心配でしたが、全ての生徒が真剣かつ元気に取り組んでくれました。

短器系長器系武器の個々の適性と分岐要因

 武道術の稽古を続ける中で、一部の生徒は短器系の武器(釵やトンファ等)に適性を示し、他の生徒は長器系の武器(棍や長刀など)に向いていることが明らかになります。
もちろん、どちらの系統も得意な生徒もいますが、初めは大抵どちらかに分かれる傾向があります。なぜこのような分岐が生じるのか、その要因について例を交えて簡単にまとめてみました。

 分岐の要因は多岐にわたりますが、例えるならば、漫画『ハンターハンター』に登場する念能力”円”の範囲と濃度に例えることができます。
円の範囲が短く濃度が高い生徒は短器系に向いており、円の範囲が半径が広く濃度が低い生徒は長器系に向いていると思っています。

HUNTER×HUNTER』集英社より引用

また、両方の系統に対応できる生徒は、必要に応じて円の範囲や濃度を柔軟にコントロールしているのだと思っています。
こんな設定を考える冨樫はすごいなぁ…再連載お待ちしております。

既に特定の系統に向かっている生徒もいますが、将来的にはどの生徒がどの系統に落ち着くか楽しみにしています♪

体術稽古と武器術稽古の感覚の違いと身体の理解と適応力

 体術稽古と武器術の稽古は、子供たちの身体能力や感覚、個性が顕著に現れる違いがあります。
この違いは、自身の身体をどれだけ理解し、適切に活用できるかに関連しています。
四肢の自由な動き、筋力、タイミングで力を加える能力など、さまざまな要因が影響しますし、過去の体験から得た身体の動かし方の知識も影響します。
 武器術の稽古では、前述に加えさらに身体を物質と連携させる方法や、重力や遠心力を考慮しながら瞬時に反応する必要があります。

子供たちがこれらの複雑な動作を短期間で学び、実行する様子には日々感銘を受けます。
子供たちの学習能力は本当に素晴らしい!

 将来、武器術の稽古を続ける中で、同じ時間を費やしても個々の差が出てくることが推測されます。
「あの子はどうしてあんなに上手にできるの?」、「自分だけがうまくできない」などと、感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし!焦らず、自分のペースで続けていくことが重要です。

 もちろん、これが最も難しい部分でもあり、芸事にも共通することでもありますが、何事も継続が大切なのです。

国摩 磨比斗

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